2007年6月3日日曜日

私立大学の価値

アメリカの大学選びの中で意外に見過ごされがちなのが、私立大学の価値です。日本では、国公立大学が私立大学よりも上に見られることが多いため、そのような感覚でアメリカの大学を見てしまうこともあるかもしれません。実際には、日本人だけでなく、アメリカ人にとっても、進学先を考える上で、一部の有名私立大学を除くと、州立大学を重視する傾向が強いようです。

しかし実際は、州立大学よりも質の高いプログラムを有する私立大学が、アメリカにはたくさんあります。私立大学は、一般的に少人数のクラスで教授とのコミュニケーションがとりやすいと言われています。また、事務手続きや就職支援等の学生サポートの質も、私立大学の方が高い場合が多いようです。

私立大学が過小評価されてしまう原因として、以下のようなものが考えられます。

① 知名度
私立大学は、州立大学に比べると規模が小さく、学生数も少ない場合が多いため、地域社会に与える影響が州立大学に比べて小さく、知名度が低くなる傾向があります。
② 大学の評価の難しさ
アメリカの大学は、日本の大学のようにいわゆる偏差値で評価されるということがありません。そのため、一般の人にとって、大学の価値を見極めるのはとても難しいことです。そのため、聞いたことの無い私立大学に進むよりも、州立大学に行く方が無難だと考える人が多くなります。
③ 授業料
私立大学の授業料は公立大学の授業料と比べるとかなり高いため、進学先を考える上で、まずは公立大学への進学を優先する人が多いことも、大きな理由です。州立大学では、州内在住者の授業料が優遇されています。

ここでひとつ、進学先に関する興味深いデータをご紹介します。

(1) スクールカウンセラーのアドバイスのみを受けた学生の進学先
  • 78% 公立大学
  • 22% 私立大学
(2) Educational Consultant (教育コンサルタント)のアドバイスを受けた学生の進学先
  • 30% 公立大学
  • 70% 私立大学
(出典:IECA

このように、
Educational Consultant のアドバイスを受けた学生は、私立大学への進学を希望する割合が非常に高くなります。私立大学の価値についての理解が高まれば、私立大学を選ぶ学生も増えると考えられます。

なお、授業料については、
私立大学は、公立大学に比べると奨学金制度を利用する学生の割合が非常に高いため、実際に支払う授業料の差は、額面上の差ほど大きくないと考えられます。

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